ダム貯水で自転軸ずれる?/米ハーバード大調査/地球重量変化、海面水位影響も

琉球新報 2025/09/02 朝刊 6頁 493字】

 世界で建設された7千基近くのダムに水がためられたことによって地球の自転軸が約1メートルずれた―。米ハーバード大の研究グループが1日までに、人工的な貯水が海面低下を引き起こし、地球の重量バランスを変化させて自転軸を動かしたとの研究結果を米学会誌に発表した。 気候変動による氷河融解などと合わせ、海面水位が変化することへの影響を考慮する際に検討すべき要素だとしている。

 研究によると、1835年から1954年に北米と欧州で多くのダムが造られて自転軸への影響が生じ、その後54年から2011年にかけてアジアや東アフリカでダム建設が続いた。 少なくとも計6862基の大型ダムが建設されたことで軸が約1メートルずれ、北極点と南極点の位置も移動したとしている。

 これらのダムは、米西部の峡谷グランドキャニオンを満たす水量の2倍を蓄えているという。 貯水により海面を約2センチ低下させたとみられる。

 アフリカでは近年、水や電力の不足に対応するためにダムの建設が相次いでいる。 ナイル川上流部のエチオピアでは今年、アフリカ最大級のダムが完工。 南部レソトでも、水資源を生かしたダムの設置が相次いでいる。


(ナイロビ共同)

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