財務省が1日発表した4〜6月期の法人企業統計によると、製造業の経常利益は前年同期比11・5%減の11兆2674億円だった。2四半期連続のマイナスとなった。 トランプ米政権の高関税政策により、自動車などの輸送用機械が29・7%減の2兆7622億円と大幅に落ち込んだ。 前年同期に比べ円高ドル安基調だったことも影響し、化学も低調だった。
米国は4月、輸入車に25%の追加関税を発動した。 日米は7月、既存の2・5%と合わせ27・5%となっている関税を15%に下げることで合意したが、まだ実現していない。 財務省は「物価上昇の継続、米国の通商政策、金融資本市場の変動を含めて今後とも企業動向を注視したい」と説明した。
金融・保険業を除く全産業の経常利益は35兆8338億円と0・2%増えた。 3四半期連続のプラスで、比較可能な1954年4〜6月期以降、四半期ベースで過去最大を更新。 娯楽業や宿泊業で客数が伸びたサービス業や運輸業、郵便業がけん引し、非製造業が6・6%伸びた。
設備投資は7・6%増の12兆8214億円だった。 輸送用機械のほか、生産能力の拡大などで食料品が増加した。 売上高は0・8%増の371兆9112億円だった。
同時に公表した2024年度の経常利益は前年度比7・5%増の114兆7288億円となり、4年連続で過去最大を更新した。
(共同通信)