日本IBM、AIガバナンス確立を提言 安全・倫理的に開発・運用へ

日刊工業新聞Newsウェーブ21 2025/08/29 エレクトロニクス1 16頁 657字】

日本IBMは28日、AI(人工知能)活用に伴う新たなリスクなどを踏まえ、「AIガバナンス(統治)」に関する提言と、具体的な取り組みについて発表した。

同日開いた発表会で山田敦技術理事は「多くの経営者がAIガバナンスの重要性は理解しているものの、実践は限定的」とした上で「企業は組織・プロセスの設計と、新たなリスクに追従可能なシステム構築に課題を抱えている」と述べた。

これを受けた解決策への提言では、AIを安全・倫理的に開発・運用するためのルールなどを示す「ガードレール」に焦点を当て、全体に網を掛けるような「リスクベース・アプローチ」、開発から運用に至る「ライフサイクル全体にわたるガバナンス」、技術進化や法規制の変化に素早く対応する「アジャイルな運用」という3点を指摘。 これらを実現する「適切なガードレールの設置と運用」について提言した。

加えて、AI活用の推進と並行して「組織・プロセスとシステムの両面で、AIガバナンスを確立すべきだ」と山田氏は強調。 IBM自身のAIガバナンス確立への実践をモデルケース化した「統合ガバナンス・プログラム」を具体例として示した。

発表会には双日の宮脇俊介デジタル事業開発部課長も登壇。 「全ての事業にAIを組み込んでいる」とした上で「当社の事業特性と日本IBMのベストプラクティスを融合し、実効性を伴った形で、AI利活用を加速する審議プロセスを始めた」と表明。 さらに「大上段に構えず、既にある組織にうまくアジャストしながら、スモールスタートで進めている」(宮脇氏)状況なども報告した。


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