大塚メディカル、難治性高血圧症医療機器が承認

化学工業日報 2025/08/29 14頁 652字】

 大塚メディカルデバイスは、腎神経焼灼術用カテーテルが、国内で初めて治療抵抗性高血圧症を適応症とする医療機器の製造販売承認を取得したと発表した。高血圧治療ガイドラインに従った治療で適切に血圧がコントロールできない患者の追加的治療として血圧を低下させるために用いられる。 血圧コントロールの可能性が広がり、心血管イベントの予防につなげていく。

 「Paradise超音波式腎デナベーションシステム」が、欧米で行われたRADIANCE−HTN TRIO試験結果に基づき承認された。 治療抵抗性高血圧症患者を対象に、利尿剤を含む3種類の降圧剤服用下にて実施した無作為化シャム対照試験で、ベースラインと割付後2カ月後の日中自由行動下収縮期血圧の変化において主要評価項目を達成した。

 Paradiseシステムは、腎交感神経の過活動抑制による血圧降下を意図して設計した、超音波式腎デナベーションによる新たな治療法。 米国子会社Recor Medicalが開発した。 各主腎動脈周辺の交感神経に1回当たり7秒間の360度超音波照射を2〜3回実施する。 独自システムにより手技中にバルーンカテーテル内に冷却水を循環し、血管壁を保護する。

 欧州のCEマーク取得後、2023年11月に米国食品医薬品局(FDA)より承認を得て米国で販売している。 市販後の詳細かつ長期的なデータ収集を目的として市販後レジストリをEU(欧州連合)、英国、米国で開始し、グローバルに拡大していく予定。 日本では当局要件をもとに独自のPMS(製造販売後調査)の実施を予定する。


【化学工業日報】その他の記事を読む

※見出しをクリックすると全文をご覧になれます。(全文記事閲覧と同様の課金になります)