北陸特集 大阪有機化学工業、グリーン社会実現に貢献

化学工業日報 2025/08/29 9頁 738字】

 大阪有機化学工業は、金沢工場(石川県白山市)において製品の安定供給および品質保証を強化する。同工場では、アクリル酸エステル類をはじめ、電子材料関連の原料モノマー、化粧品原料や各種中間体原料といった同社主要製品を幅広く製造する。 生産能力の増強や品質の安定化を目的に、継続的に設備投資を実行しており、今後も同社の成長をけん引する主力拠点の一つとして期待される。

 化成品事業では、特殊アクリル酸エステル(汎用品)の統廃合など製品構成を見直しつつ、事業競争力を高めている。 また、粘着剤や紫外線(UV)インクジェット用途での需要増加に対応するため、高純度品(蒸留品)の設備増強を計画する。 来春以降の稼働を目指しており、生産効率および品質向上に取り組む。

 電子材料事業では、フォトレジスト市場の成長にあわせ、適切なタイミングで半導体用材料の設備投資を実施し供給能力を順次引き上げている。 さらに、ArF(フッ化アルゴン)用モノマーに加えて、最先端のEUV(極紫外線)用モノマー対応力のさらなる強化のため、2025年中に中量実験室を建設・稼働する予定。

 二酸化炭素(CO2)排出量削減の取り組みの一環として、環境配慮型電力のオフサイトPPA(電力購入契約)を契約した。 太陽光発電設備や廃溶剤利用ボイラーも設置しており、グリーン社会実現に貢献する。

 一方、女性の活躍推進や障がい者雇用の促進とともに、工場内の空調設備を整えながら熱中症対策にも力を注いでおり、より働きやすい環境を整えている。

 地域住民との交流を深めるため、森づくり事業や清掃活動を継続中。 中学生を対象とした工場見学・化学実験室を初めて開催した。 仕事内容を理解してもらうとともに、同社の魅力を伝えることで、将来の採用活動につなげたい考えだ。


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