【浜松】浜松ホトニクスは28日、実験で200ジュールのパルスレーザーを10ヘルツ(1秒間に10回)で照射できる平均2キロワットのレーザー出力を達成したと発表した。2023年時点との比較で2倍以上の光エネルギー密度での実験で、同社によると半導体レーザー(LD)で励起する固体レーザーでは世界最高出力。 レーザー核融合発電の実現に向けた一つの目標である、1キロジュールのパルスレーザーを10ヘルツで照射することについて28年までに実現するための技術的課題を明らかにできたとした。
今回の実験ではレーザー高出力化のために、LDの励起パワーを1・5倍まで増強した。 その際に発生する熱でレーザーを増幅させる「媒質」が変形し劣化するのを抑えるため、影響を軽減する独自の冷却構造を改良した。
増幅されたレーザー光が装置内部の光学素子に損傷を与える出力の限界値を確認できる成果も得られた。
実験は同社の中央研究所産業開発研究センター(浜松市中央区)で実施した。