北陸特集 立山化成、連続フロー合成 水平展開

化学工業日報 2025/08/29 12頁 842字】

 医薬品の原薬(API)、医薬中間体とファインケミカル製品、さらに電子材料の3領域で精力的な事業展開を進める立山化成(富山県射水市、片口真社長)。1953年(昭和28年)、メチルエフェドリン生産からスタートした同社は今日、高度な医薬品原薬製造で蓄積した製造技術と知見を強みに、ワールドワイドに医薬品原薬や中間体を顧客に供給するほか、化学関連のファインケミカル、そして世界的に産業のすそ野がひろがる高純度な電子材料市場にも製品供給を行っている。

 医薬品原薬事業では、今年初めに新たな高活性化合物専用棟(第5精製棟)が本格稼働入りし、原薬事業の基盤と製造供給力を強化した。 高活性な治験原薬、ジェネリック(後発薬)原薬で「原薬製造のみならず、中間物の純度や粒度調整ほか国内外の需要家や市場から寄せられる多彩なニーズに応じる」(片口社長)体制を整えた。 また、わが国で事実上、ほぼ初めての実生産設備を完成、稼働させている気液連続フロー合成設備は、医薬品に加え広く次代の新たな化学合成プロセスを切り拓くものとして多種多様な業界の企業や大学、研究機関等の見学受けいれ、一部で共同の応用研究にも取り組む。 今年1月、一般社団法人近畿化学協会の連続フロー合成に関わる講演から、5月のインターフェックスジャパン、そして産総研が運営し産官学が結集したフロー精密合成コンソーシアム(FlowST)の11月セミナーでも講演予定と連続フロー合成に関わる団体の諸活動にも参画している。

 地元富山県の地域未来けん引企業として、今年2月には厚生労働省の子育て支援・サポート企業のくるみん認定を受けているほか、3月の射水市主催の企業見学ツアーで学生を受け入れ、学生達へ立山化成の魅力や事業の強みを訴求。 さらにバーチャル工場見学サイトも開設した。 一方、同社のコンシューマブランドで製品展開も行うα−リポ酸配合の健康補助食品、リポ衛門は「今後、リブランドや市場プレゼン手法などを考え製品拡販につなげる手法」(同)の検討も続けていく。


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