田辺三菱製薬は29日、9月1日付で代表取締役執行役員最高経営責任者(CEO)に前ファイザー日本法人社長の原田明久氏、取締役会長に元武田薬品工業最高財務責任者(CFO)のコスタ・サルウコス氏が就任する新経営体制を発表した。辻村明広現社長は、社長最高執行責任者(COO)として国内外のオペレーションを統括する。 三菱ケミカルグループから7月に米投資会社ベインキャピタルの傘下となり新たな成長戦略を模索するなかで、今後のさらなるグローバル化に向けて外部からの採用による経営体制の強化を決めた。
同社は足元では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカヴァ」を通じた米国での事業基盤や創薬プラットフォーム、パーキンソン病薬候補「ND0612」などのパイプラインを有し、新体制ではこれらの事業基盤を生かした中長期的な成長戦略を描く。
原田新CEOは、経営の実質トップとして、ファイザーでの経験を活かした新しいビジネスモデル構築を担う。 サルウコス新会長は、武田のCFOとしてアイルランド製薬企業シャイアーの買収に関わっていた経歴を有し、田辺三菱では代表権のない取締役会長として経営を俯瞰的に指導する立場を担う。
同社は12月1日から社名を「田辺ファーマ」に変更する。