ワイエムシィは液体クロマトグラフィー用充填剤、カラム、分取装置、および連続クロマトグラフィーを含む分離精製に関わる優れた技術を、トータルソリューションとして提供することができる。同社のビジネスにおいて重点を置いている医薬品業界はペプチド・核酸医薬品の研究開発や製造が活発化しているが、技術を磨き、安定供給を堅持するなどしてニーズに応え続ける。
事業活動は順調で、着実に成長を遂げている。 拡大を牽引しているのが医薬品の分離精製、なかでも肥満症治療薬の分離精製工程で使用される有機シリカハイブリッド系充填剤「Triart(トライアート)」が好調に推移している。
新薬の研究開発における分析や商用化された医薬品の品質分析などで用いられるカラム、そして医薬品の製造などに使われる充填剤は、小松事業所(石川県小松市)で作っている。 同所は主要拠点で、1991年の開設以降、継続的に経営資源を投じている。 昨年9月には新設した管理センターが稼働。 充填剤、カラム、そして受託事業で製造される医薬品原薬のそれぞれの品質管理業務および品質保証業務を集約するなどした。
次いで、引き合いが強まっている充填剤を増産する。 既存設備の改造を進めており、来年度の完工を予定。 生産能力は現状比3〜5倍となる。
医薬品などの生産用の大型プレパックカラムについても製品展開を強化し、同所内に最大で内径30センチメートルのカラムに充填することが可能な設備を導入した。 大型カラムはトライアートなどの充填剤をユーザー自らカラムに充填して使用することが一般的だが、プレパックカラムは充填作業が不要で、納品後すぐに使えることからニーズが高まっている。 本製品は省スペース設計のため、カラムが2基必要になる連続クロマトグラフィー技術との相性もよい。 内径30センチメートル超のプレパックカラムに関しても国内外でニーズを探る。