日本化学会など、化学グランプリの優秀者決定

化学工業日報 2025/08/29 4頁 947字】

 全国の高校生だけでなく、小中学生でも自分の「化学の知識」が試せる「化学グランプリ2025」(化学の甲子園)の成績優秀者が決定した。今回は2476人が挑戦、この結果、成績優秀者に対し、高校2年生2人を含む最優秀の大賞(5人)をはじめ、金賞(15人)、銀賞(20人)、銅賞(37人)が贈られた。 一方、化学グランプリは世界の高校生が一堂に会する国際大会「国際化学オリンピック」(IChO)の日本代表の選考を兼ねる。 今回は化学グランプリ参加者のうち、中学3年生と高校1・2年生から来年7月にウズベキスタンの首都タシケントで開催される「第58回ウズベキスタン大会」に派遣する日本代表4人が選抜される。

 最優秀成績者に贈呈される大賞は高校3年生3人、高校2年生2人の5人。 久留米大学附設高校3年の下尾健祐さん、富山県立雄峰高校3年の淵上理音さん、広島大学附属福山高校2年の上吹越結也さん、栄光学園高校3年の永田駿平さん、灘高校2年の古寺優介さんが選ばれた。

 また、大賞のうち下尾さんが「日本化学会特別賞」(総合成績1位)、永田さんが「『夢・化学―21』委員会特別賞」(2次選考成績1位)、上吹越さんが「メルク特別賞」(高校2年生における総合成績1位)。 このほか銅賞で海城高校1年の藤倉崇成さんが「工学院大学学長賞」(高校1年生以下における総合成績1位)に輝いた。

 今回の化学グランプリでは7月21日に各地で第1次選考(マークシート式)を実施、成績上位者77人が、8月21〜23日に行われた2次選考(実験試験、東京・八王子の工学院大学)に駒を進めた。

 化学グランプリは全国の中高生を中心に化学に対する興味や関心を促し、化学への学びの意欲や能力を高めるのが目的。 さらに、現在はIChO日本代表の選考も兼ねており、世界にも通用する若い化学者を育成するきっかけにする狙いもある。 1999年から夏に開催しており、「夢・化学―21」委員会(日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会で構成)と日本化学会が主催している。

 一方、IChO日本代表選びは今後、中学3年生と高校1・2年生の参加者から20人程度の代表候補を選び、トレーニングと選考を経て、最終的に来年のウズベキスタン大会の日本代表として4人に絞られる。


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