プラスチックをはじめ各種マテリアルの劣化や性能低下を引き起こす紫外線。この紫外線影響を防止する紫外線吸収剤をわが国で初めて製造・国産化に成功したパイオニア企業がシプロ化成(福井県坂井市、白石泰章代表取締役社長)。 1966年(昭和41年)の会社設立から、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防錆剤という3分野で事業展開を行い、現在では国内外で揺るぎないリーディング企業のポジションを持つ。 来年、会社創業60周年という大きな節目を前に「環境対応の新製品や新分野となる受託製造事業にも一段と注力し、次代への会社持続成長と、さらなる社会貢献も果たすシプロ化成を目指していく」(白石社長)と全社全域で、その取り組みを加速中だ。
シプロ化成は、テクノポート福井に持つ本社工場・研究開発部門と新大阪の営業本部の両翼で、主力の紫外線吸収剤、酸化防止剤、防錆剤、さらに高機能ファインケミカル製品群を展開している。 次世代半導体産業の潮流へ半導体製造に使われる超高純度材料も需要家へ供給するほか、ほぼ現行の多様な生分解性プラスチックに対応可能な新紫外線吸収剤(大阪公立大学、大阪産業技術研究所との連携研究)の研究開発にも注力中だ。
23年には極めて高い耐光性を持つ青色蛍光色素を大学や他社と共同で開発。 透明性が特徴なポリカーボネート(PC)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの樹脂との相容性も良好で長期安定性も優れる。 フイルムや樹脂向け波長変換材料。 薄膜太陽電池の光電変換効率向上、農業用フイルムといった用途拡大を見込む。 10億分の1、ppbオーダーで極低メタル対応技術をコアに半導体関連材料の開発や供給も広がるほか、優れた製造技術の横展開としてファインケミカルや中間体の受託製造事業にも注力中だ。
本社工場にある少量から中、大容量の多種多様な反応設備と独自の減圧乾燥設備を活かし反応から乾燥まで一貫受託製造に応じ、酸や塩基と双方使用工程にも対応。 ISO45001認証も取得ずみで、自社で排水処理設備も保有。 さらに24時間体制で試作可能と需要家の受託製造ニーズへ広範に対応する。