国内外の市場と需要家へ、各種の機能性色素製品(感圧感熱色素・ロイコ染料、顕色剤ほか)を製造展開する大手企業、福井山田化学工業(佐々木大輔社長)。1985年(昭和60年)のテクノポート福井(福井県坂井市)への進出から、今年はちょうど40周年という大きな節目を迎えた。 現在では、高機能色素製品に加え、蓄積してきた豊富な生産技術とノウハウを活かしさまざまなファインケミカル製品などの受託生産事業も手がけている。 本社工場が立地している福井県坂井市の地域社会とともに歩んできた今日までの歩みを土台に「この地域へ一段と根差していきながら事業発展をしていく企業」(佐々木社長)として、新たな色素の持つ可能性の追求や新しい事業展開なども検討している。
福井山田化学工業は、福井県のテクノポート福井が造成された初期の第1期時に同地へ進出。 それ以来から、本業への注力とともにテクノポート福井へ入居している他企業との連携や坂井市の地元、地域社会へ密着しながら事業活動を推進している。 日々の生産活動と同時に2011年度から、1期5年間でいち早く脱炭素・環境対応の計画を着実に実施してきた。 26年度からは第4期となる同計画がスタートする予定だ。 これまで、生産工程における溶剤使用の削減や水への切り替え、顧客企業との材料開発、工場照明の全LED(発光ダイオード)化開始などに取り組んできた。
現在では、工場棟や管理棟の屋根部分を遮熱塗料による塗工仕様へ、順次切り替えをすすめているほか、製造で扱う化学品の一次貯蔵場所を工場敷地内の中央への移設も行っている最中だ。 さらに独自の工夫で雨水を貯留し、工場排水の希釈や中和にも利用するなど徹底した環境対応工場を目指している。 一方、地域社会貢献として昨年に、地域の小中学校生徒を対象に「福井山田化学工業イラストコンテスト」も開催した。 さらに、工場敷地内のグラウンドも学生らの練習時などに開放している。 また、環境にやさしい化学を目指した事業の準備も着々と進めており、新しい事業展開の一歩も踏み出していく。