セブン 祖業ヨーカ堂売却/米ファンドに、再編完了

琉球新報 2025/09/02 朝刊 4頁 671字】

 セブン&アイ・ホールディングスは1日、祖業のスーパー、イトーヨーカ堂を含む約30社を米投資ファンドのベインキャピタルに売却したと発表した。業績低迷が続いたスーパーを切り離し、巨大流通グループの事業再編が完了した。 今後はコンビニのセブン―イレブンの経営に専念して、成長を目指す。

 ヨーカ堂売却はグループ再編の総仕上げの位置付けとなる。 セブン&アイがカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたのを機に議論が加速。 買収を防ぐには株価を上げる必要があり、足かせだったヨーカ堂の売り渡しを決断した。 買収提案は7月に撤回されたが、コンビニに専念する戦略は変更しなかった。

 売却したのはセブン&アイのスーパー事業を束ねた「ヨーク・ホールディングス」。 東北を地盤とするスーパーのヨークベニマルやベビー用品の赤ちゃん本舗、雑貨店のロフト、ファミリーレストランのデニーズ運営会社が含まれる。

 ヨークの株式の60%をベインが取得。 売却額は今年3月に約8千億円と公表していた。 残りのヨーク株はセブン&アイと創業家が保有し、一定の協業関係を維持する。

 ヨーカ堂は1920年に東京・浅草で開業した洋品店「羊華堂」が源流だ。 首都圏を中心に最盛期は182店を展開したが、業績のてこ入れが進まず閉店を重ねた。 セブン&アイは2023年、経営不振だった百貨店のそごう・西武を別の米ファンドに売却していた。

 セブン&アイは飽和状態の国内コンビニ市場で、31年2月期までに約千店増やす計画を掲げている。 ローソンやファミリーマートとの競争激化が予想される。


(共同通信)

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