DIC、食品接触向け内面コート剤でアジア深耕

日刊工業新聞Newsウェーブ21 2025/09/03 繊維・医薬品・食品・サービス 15頁 503字】
■インドネシアに生産設備

DICはインドネシア東ジャカルタ市の工場内に新たに建屋を建設し、食品接触用途の内面コート剤を生産する設備を導入した。紙製のランチボックスやピザボックスなどでの用途を想定する。 中国を含むアジアやオセアニアの市場向けで、2030年までに年産1000トンを目指す。 食品接触向け内面コート剤の生産設備としては日本や米国、英国に次ぐ4カ国目で、東南アジアでは初となる。

投資額は非公表。 従来の食品包装材には、耐水性や耐油性を持たせるためにラミネート加工されたプラスチックが使用されており、リサイクルが困難であった。 DICの機能性コーティング剤は、紙やフィルムなどの基材に塗布することで必要な機能を付与できる。 リサイクル適性に優れたパッケージのモノマテリアル(単一素材)化の実現につなげる。

インドネシア子会社に導入した同設備には食品衛生管理に関する国際規格「HACCP(ハサップ)」に準拠した設計を採用。 ハサップ認証は申請中で、同社調べでは世界のインキ業界で初の採用という。 エアシャワーやHEPAフィルター付きのダスターなどを導入している。 一般的な食品メーカーと同等程度の衛生管理体制を実現した。


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