1906年(明治39年)3月、福井市で創業し、来年2026年に120周年の節目を迎える興和江守(福井県、岩佐大秀社長)。「節目の年をステップに、新たな3カ年計画の始動」(岩佐社長)に向け同計画の策定に入った。 目標として掲げる2030年に売上高1000億円規模、福井ナンバーワン企業へ、そのマイルストーンとなる売上高500億円は「この数年内に、計画を前倒しで到達できる見込み」(同)。 次期3カ年計画では、事業規模の一層の底上げと、社員エンゲージメントの向上、さらなる強靭な興和江守のプレゼンス確立を全社全域で推し進める。
先の25年3月期決算は、前年比7・8%増、売上高407億9400万円の増収をマーク。 人件費や運賃などの上昇で販管費が増加し利益面で若干の影響もあったが「26年3月期は再び増収増益に着地する見込み」(同)。 昨年10月に、繊維関連の化学品事業を、従来のテキスタイルからグリーンテックへ事業部の名称を変更し世界的な潮流のサーキュラーエコノミー(循環型経済)の環境対応に向け「繊維分野に限らず、すべての事業で環境に立脚したビジネスモデルに注力」(同)する。 ケミカルで扱う樹脂製品も、再資源化による再生材の扱い比率を高めるほか、地域社会への貢献と製品からの環境負荷低減を両立させるストレッチフィルム水平リサイクル事業も、江守物流にて事業の広がりを加速させている。 今後は、フィルムのみならず再資源化製品の拡充にも取り組んでいく構えだ。
来年からの次期3カ年計画では売上高の約30%を占める海外事業(中国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム〈興和と共同〉)もさらに比率を高めていく他、脱炭素社会の実現のため温室効果ガス(GHG)排出削減目標の設定と、これに応じた新組織も発足させる。 北陸地域の次世代燃料の普及促進に向け、行政や関連企業、親会社である興和との連携を一段と深める。 経済性を含めた安定供給を念頭に、まずは客先提案を目指していく。