西表島ホテルby星野リゾートは8月28日から、ホテル内レストランや社員食堂で島内産のコメを使用している。地産地消の仕組みづくりに加え、年間4〜6トンの継続的な消費が見込まれることから、農家の安定収入にもつなげたい考えだ。
西表島で流通する県外産の銘柄米については、全国的なコメの高騰に加え、輸送コストがのしかかり、価格が押し上げられていた。
一方、島では2023年度に240トン、24年度に244トンのコメが収穫されているが、大手業者が買い取り、島外で消費されていることも課題となっていた。
島内では、西表島地域循環協議会が立ち上がり、コメ農家の生産持続性を高める仕組みづくりが検討されてきた。 コメ以外の農畜産物を含めて島内の観光業者や宿泊事業者が買い取り、消費者に提供する仕組みで、環境への配慮や食育についても意識した取り組みとなっている。
協議会に参加する西表島ホテルは、農家から5キロ2700円で買い取り、レストランで提供する分の価格は5キロ3672円で設定。 平均買い取り価格よりも高く、島米の店頭販売額よりも安価に抑えた。
ホテルの細川正孝総支配人は「観光事業者が島の持続的な観光、自然環境保全のサイクルの確立に積極的に関わっていくことが大切だ。 島内のコメ消費の仕組みに主体的に関わっていきたいと考えている」とコメントした。
(新垣若菜)