ノバルティスファーマと調剤薬局チェーン大手の日本調剤、同社グループ会社の日本医薬総合研究所は28日、慢性骨髄性白血病(CML)患者の治療サポートを行う共同プロジェクト「患者サポートプログラム“CML―PATH”」を開始したと発表した。CML薬を複数持つノバルティスが薬剤師と専門医の連携を促進させるプロジェクトで、疾患啓発につなげる狙い。 特定の疾患で製薬会社と調剤薬局チェーンが包括的に提携する事例は珍しい。
CMLは、分子標的薬の誕生で生命予後が大幅に改善された一方で、副作用に悩みながら日常生活を送っている患者も多く、2021年に実施したアンケートでは、42%の患者が「服薬をやめたいと思ったことがある」と回答。 理由としては「副作用」が61%と最も多かった。
ノバルティスは、分子標的薬の「セムブリックス」や「グリベック」「タシグナ」といったCML薬を持つなか、外来がん治療認定薬剤師を多く有し、がん患者の受け入れ体制が整っている日本調剤グループとの協業にいたった。
共同プロジェクトでは、薬剤師が副作用で我慢している患者の状態を把握し、血液内科医に共有する体制構築を目指し、ノバルティスが薬剤師向けに勉強会を開催する。 まずは日本調剤グループ20店舗が参加する。