産業廃棄物の再資源化などを手掛ける三和油化工業(本社刈谷市)。「健康経営」に取り組みながら、従業員一人一人が心身ともに健康で働きがいのある職場づくりを推進している。 今年から新たな制度をスタートするなど、活動内容を充実させている。 (刈谷・山田悠)
健康経営に重点的に取り組むのは、労働人口の減少が進む中、選ばれる会社になる手段の一つとして重要と判断しているからだ。 「こころ・からだ・職場」のコンディションを整え、一人一人のパフォーマンス向上などを基本方針に掲げている。
健康診断は手厚い。 一般的な健診内容に加え、がん検診も同時に受診できる。 女性は乳がんや子宮頸がん、男性は前立線がんといった具合だ。 会社に検診車を招くなど、受診しやすい仕組みも整えている。
また、心身のリフレッシュによる健康づくりを目的に、毎月一定額を会社が負担する福利厚生のメニューも用意している。 社員同士の交流会やスポーツイベント、文化芸術鑑賞など、コミュニケーション活性化や、明るい職場づくりに役立っている。
同社は「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されており、今後も健康経営の取り組みを推進していく。
女性比率が約3割と産廃業界では高く、女性の視点や活躍を重視していることも特徴だ。 各部署から女性社員を選抜し、意見を吸い上げる場を設けている。 結婚し、子どもを持つ世代の社員が増えたため、男女とも育児休業を取得しやすい環境も整えた。
今年から新たな制度をスタートさせた。 その一つが、「jobとら」と呼ぶ取り組みだ。 例えば、間接部門が営業部門に「体験入部」し、他部署の業務を確認できる。 従業員の視野を広げ、キャリアアップを支援する狙いがある。 対象は本社エリアに勤務する勤続10年未満で、今年は3、6、9、12月に開催する。 各月3人、年間12人が同制度を利用する計画だ。
そのほか、フレックスタイム制度も導入した。 すでに利用者から高い評価の声も上がっている。 総務部の担当者は「働き方の選択肢を増やす狙いがある。 利用する方が増えてほしい」と期待を寄せる。 人材獲得や定着率の向上にもつながりそうだ。
一体感の醸成では、年1回の社員旅行がある。 同社は全国に拠点があり、接点の少ない社員が顔を合わせる貴重な場にもなっている。 今後も、職場環境の改善などを通じ、従業員が健康で明るく働ける職場づくりを進める方針だ。
(毎週火曜日に掲載)