北陸特集 日信化学工業、本社の新研究棟が11月完成

化学工業日報 2025/08/29 9頁 871字】

 2025年3月1日、創立70周年の大きな節目を迎えた信越化学グループの日信化学工業(小野猪智郎社長、福井県越前市)。昨年5月末から同社トップに就任した小野社長は「変革のスピードが一段と早まる国内外の経済環境のなか、改めて顧客の声や市場のニーズを研究開発や営業など全社員が一丸となって、スピーディにキャッチアップしていく」方針を改めて強調。 同様に昨年からスタートした新企業コンセプト「add us,add value.加える。 変える。 価値をうみだす。 」に沿って、同社の豊富な高機能性樹脂製品群が活かされている多様な既存市場のさらなる深耕と、研究開発から創出していく新機能付与を主とする新市場創出へ向けたシーズ提案の両翼を全社全域で一段と強化していく考え。

 日信化学工業は高機能性樹脂にかかわる豊富な知見と、その技術開発力をベースに、多種多様な産業で高付加価値提供や環境対応化につながる樹脂添加剤や改質剤の大手。 主力製品となる塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合樹脂ソルバイン、同高機能エマルジョンのビニブランをはじめ、最近では高純度アセチレン系界面活性剤のオルフィンが「電子材料や半導体産業向けで伸びている」(同)ため、同分野の展開をさらに引き上げていく。 また23年から本格的な市場投入を始めた異種材料の組み合わせで潤滑性と基材密着性の異なる機能を両立した業界初のシリコーン系ハイブリッド樹脂シャリーヌ1800シリーズに続いて「近く研究開発から、新コンセプトで別ラインとなる開発製品」(同)もラウンチしていく予定だ。

 今年2月には東京営業本部を信越化学グループも入る新大手町ビルへ移転したほか、翌3月には自社製品や原料などの全体物流効率化と最適化につながる自社物流ターミナルも本社・工場隣接の敷地に新設した。 さらに現在、建設が着々と進む本社敷地内の新研究棟も、いよいよ、その陣容が完成に向かっており、今年11月21日には地元越前市の行政トップらを招へいし、竣工式典を予定する。 従来の研究施設から付帯設備などの移設を経て26年3月より本格運用に入っていく計画。


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