太陽HD新中計、30年度にROE30%へ

化学工業日報 2025/09/01 5頁 810字】

 太陽ホールディングスはこのほど、新中期経営計画を発表した。2031年3月期に売上高1800億円、営業利益470億円(営業利益率26%)、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)580億円(同マージン32%)、ROE(自己資本利益率)30%を目指す。 成長の牽引役はコア事業に位置づけるエレキ事業。 主力のソルダーレジスト(SR)の拡大を見込むほか、次世代パッケージ向けの新材料を拡販する。 医薬事業は製造受託を着実に伸ばし、製造販売でポートフォリオの見直しを図る。

 セグメント別の営業利益目標は、エレキ事業が390億円。 SRが用いられるプリント配線板市場は30年まで年平均成長率6%が見込まれ、確実に需要を取り込む。 なかでも半導体パッケージ基板は同9%の高い成長率が期待され、同基板向けのエレキ売上高比率を24年度の33%から30年度に40%まで引き上げる。 分野では基地局やIoT(モノのインターネット)端末といった従来の地上系のネットワーク機器に加え、通信衛星機器向けアンテナ基板など非地上系の需要が拡大しており、需要の取り込みを図る。

 新規製品にも力を注ぐ。 新規製品を含むその他の24年度のエレキ売上高比率は1%だったが、30年度に同10%まで拡大させる。 SRで培った絶縁技術をインターポーザーやガラス基板周りに生かす。

 医薬事業の営業利益目標は90億円。 製造受託は高付加価値の注射剤や代替がきかない剤形の製造設備を保有する強みを生かし、受託案件を増やす。 一方、苦戦する製造販売は収益の改善を図るとともに戦略的選択肢検討も同時に進める。

 新規・更新投資は合計600億円を計画。 新規投資の多くはエレキ事業で技術開発や生産能力の拡大に費やす。 医薬事業の製造受託の生産能力拡大も図る。

 株主還元方針はDOE(株主資本配当率)5%以上、総還元性向100%(少なくとも27年度まで)と定めた。 今期はDOE17%、総還元性向102%を見込む。


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