旭化成はこのほど、「テラヘルツ分光によるポリエチレン(PE)の分子量推定法」の開発における研究成果が、電気学会の2025年基礎・材料・共通部門の論文賞を受賞したと発表した。溶剤が不要で、サンプルに触れずに1分程度でPEの分子量を測定する手法で、研究開発や生産現場における品質管理の効率化に貢献する技術として評価された。
テラヘルツ波と呼ばれる特殊な電磁波を活用してPE分子量を測定する。 得られたデータを数理的に処理することで、サンプルに触れず、わずか約1分の短時間で分子量を推定できるようになった。 既存の測定手法では、サンプルを溶剤に溶かし、数時間かけて測定する必要があり、研究、開発、製造の現場の負荷が大きいことが課題だった。
今後、本技術の実用化を進め、ポリエチレンをはじめとするさまざまな樹脂や樹脂製品の開発を効率化するとともに、生産現場で品質管理技術の高度化を図る。