化学のチカラで未来をひらく−。合成樹脂製品の総合メーカーとして、フイルム、発泡シート、気泡緩衝材、プラスチックダンボールの4事業で「顧客や市場ニーズや困りごとの解決」に取り組む酒井化学工業(福井県鯖江市、酒井清章社長)。 自動車産業や電子・電子機器ほか広範な工場や事業所などへ、独自技術の包装資材や工程・構内資材、副資材、日用雑貨品、最近は建築や農業、物流向け樹脂製品など「新規用途や市場開拓」(酒井社長)にも注力中。 サーキュラーエコノミー(循環型経済)と環境ニーズに沿って環境付加低減原材料のバイオマスシリーズ、再生樹脂原料のミナエコや4Rとなるリユース向けミナダンほか環境対応製品も揃え、数年後に本格化が見込まれる再資源化・再生品需要への準備も進めている。
同社は(1)素材製造から最終加工までの一貫製造(2)ラミネート技術の新機能製品(3)全国展開する拠点網からの迅速物流(4)顧客ニーズに応じるオーダーメード(5)独自生産技術のコスト競争力(6)品質管理−の6つが大きな強み。 1963年、ポリエチレンフィルムの製造加工メーカーとして創業以来、製造加工の一貫生産で顧客要望に沿った開発品を相次ぎ整えミナフォームやエサノン、ミナパック、ラミパック、プラスチックダンボールのミナダンやラミダンを市場展開してきた。
23年8月には、創業60周年の節目を迎え「改めて創業原点に立ち返る」方針から顧客対応をはじめ開発から試作、製品展開まで事業全域でスピードアップに取り組む。 23年4月に始動した開発拠点としてのソリューションセンターではその機能を活かし新たな開発品のスピードアップに努めるほか、次の成長へ「若手社員層のさらなる登用と人材育成を踏まえた社内改革」(同)を酒井化学工業グループ全体で検討中だ。 一方、初の海外拠点となるベトナム「SAKAI MINA ASIA」(ベトナム・ロンアン省キズナ工業団地)も本格稼働から「事業拡大を段階的に進める次のステージ」(同)へ、その強みを活かした品種拡大や「日系需要家へ向けたベトナム内需の展開」も加速していく。