日刊工業新聞社とモノづくり日本会議は、読者向けセミナー「日刊工業新聞Hack」を開いた。自動車関連企業を対象とし、テーマは「米国の貿易政策大転換にいまのインテリジェンス(情報分析)で耐えられますか?〜知らなかったでは済まされない!確かな予測データと一次情報こそ社内共有せよ〜」。 S&Pグローバル・モビリティのアナリスト2人が講演した。 自動車部品メーカーの関係者らリアル会場・オンライン合わせて約160人が熱心に聞き入った。
西本真敏日本・韓国ビークルプロダクション・フォーキャストディレクターは「米国保護主義が世界自動車産業に与える影響―関税戦争に勝者なし?」と題し、米国関税政策が車の世界生産に与える影響などについて話した。 日系車メーカーが関税の影響を最小化するには「(販売不振の)日産自動車の米工場の余力分をどう使うかがポイント。 協業の一部で同工場を活用することで(自社では大きな)投資をせずに関税を回避する手が打てる」と分析した。
安宅広史オートモーティブサプライチェーン&テクノロジープリンシパルリサーチアナリストは「電動化の転換期と自動車部品産業」について説明。 電気自動車(EV)シフトが減速傾向にある中、内燃機関向け部品メーカーが当初EV部品向けの生産設備を入れたが需要が伸び悩み、ハイブリッド車(HV)向け部品への参入を検討する例を挙げた。 その上で「新たに設備を導入する際、他の部品にも使えるものを選ぶなど設備の選び方に慎重になってほしい。 使う状況が変わった時にラインを組み替えられるなど、投資に柔軟性を持たせるべきだ」と結論付けた。