波力発電開発を手がけるグローバルエナジーハーベスト(GEH、東京都三鷹市、速水浩平社長)は2日、鉄鋼商社のメタルワン(東京都千代田区)など3社から総額約4億円の出資を受けたと発表した。発電効率の向上に向けた技術開発や発電装置の量産体制の整備に充てる。 沖縄県与那原町で9月にも6基で開始する実証実験を拡張し、2027年度に約350基で一般家庭約700戸分の消費電力相当(350キロワット時)を発電できる体制の構築を計画する。
GEHに対し日東工業や自動車部品製造のアイキテック(愛知県東浦町)も出資した。 メタルワンが鋼材調達、日東工業が設備の筐体製造、アイキテックが歯車加工技術の応用などを担うことで発電効率の高い装置の量産を図る。 都内で2日会見したGEHの速水社長は「(世界的に進んでいない)波力発電の量産をオールジャパン体制で成功させたい」と述べた。
波の運動エネルギーを利用する波力発電は海外でも開発が進められているが、高波に対する強度や漁業・海洋生物との共存などが課題となり、商用化が途上にある。 GEHは発電効率の高い装置を港湾の岸壁や防波堤周辺に設置し、メンテナンス性にも優れる設備展開を狙う。 30年代前半には工業地域近辺の海岸や発電コストが課題となっている離島など国内各地での実装を目指す。