車載ソフト国内市場、30年に1兆円超

化学工業日報 2025/08/29 13頁 539字】

 国内車載ソフトウエア市場は拡大する。矢野経済研究所は、ソフトウエア開発ベンダー、IT系半導体メーカー、マイコンベンダーを対象とした調査結果を公表した。 2030年の国内市場規模は1兆118億円に達し、なかでもソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)ソフトウエア群(SDVソリューション)が5割強を占めると予測する。

 車載ソフトウエアは、大きく制御系と車載IT(情報)系に分類されている。 制御系は自動車を電子的に制御する仕組みを担い、車載IT系は運転席周りのHMI(ヒューマンマシーンインターフェイス)やナビゲーションを中心としたエンタテインメント系、安全運転支援のADAS(先進運転支援システム)といったシステムに機能する。

 SDVの開発にともないSDVソリューションが市場に投入されており、その存在感は急速に高まりつつある。 25年の市場規模は6790億円を見込む。 SDVソリューションの構成比は構成比19・7%となり車載IT系を抜いて2位となるもよう。

 SDVソリューションの進展を背景に車載ソフトウエア全体を統合集約していく流れであり、制御系ソフトウエアなどが差別化が難しいコモディティ化していくと予想する。 ソフトウエア開発ベンダーの役割が縮小していく可能性も示唆されている。


【化学工業日報】その他の記事を読む

※見出しをクリックすると全文をご覧になれます。(全文記事閲覧と同様の課金になります)