【天津共同=杉田正史】中国天津市で1日、新興国で構成する上海協力機構(SCO)首脳会議の本格的討議が行われ、加盟国の結束をうたう「天津宣言」に首脳らが署名した。 中国の習近平国家主席はSCOが多国間主義に基づき平和と発展に貢献していると訴え、関税圧力を強めるトランプ米政権を念頭に「いじめに反対する」と表明した。
ロシアのプーチン大統領やインドのモディ首相らが出席。 会議は2日間の主要日程を終えた。
会議を主宰した習氏は、発展と協力を推進してきたSCOの「国際影響力が日に日に増強されている」とアピール。 トランプ政権の米国第一主義を踏まえ「多国間の貿易体制を支持し、平等で秩序ある世界の多極化」の重要性を訴えた。
インド外務省によると、天津宣言ではテロや薬物対策、エネルギー分野などでの協力強化を確認した他、イスラエルと米国によるイランへの軍事攻撃を非難。 第三国に対する内政干渉に反対すると強調した。
プーチン氏は会議の演説で、SCOが形成する新たなシステムは「時代遅れの欧州中心主義のモデルに取って代わるものだ」と強調。 モディ氏はSCOの多国間主義の姿勢を評価した。
タス通信などによると習氏とプーチン氏は8月31日、天津で個別会談を実施した。 米アラスカ州での米ロ首脳会談の結果など最近の米ロ交渉に関して協議した。 本格的な中ロ首脳会談は9月2日に北京で行う予定。
習氏は7年ぶりに訪中したモディ氏とも8月31日に会談。 中印両国は国境問題を巡り険悪な関係にあったが、昨年10月に両首脳が会談し関係改善で合意した。 双方は今回の会談で中印関係を進展させることで一致した。