北陸特集 ペトロケミカルス、受託生産事業 拡大強化へ

化学工業日報 2025/08/29 11頁 842字】

 メーカーと商社のハイブリッド機能で、エポキシ樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂などがベースの塗床材ほか自社製品と各種添加剤の豊富な配合・調合ノウハウで、顧客「BCP」(事業継続計画)対応へとつながる受託生産事業枠も広がるペトロケミカルス。国内工場投資への回帰、物流課題による倉庫新設・増床を背景に、自社製品エポキシ系塗床材のレジコンシリーズ(製品名)やウレタン系床材で需要キャッチに努める一方、溶剤やファインケミカル製品の受託生産事業も伸びている。 中核となる福井工場は「今後の生産や受託ニーズ増加対応と、一層の効率化、全体的な生産DX(デジタルトランスフォーメーション)にも取り組み、基幹生産システムの大幅刷新も予定する」(三宅穣・福井工場長)。

 産業界の多様なニーズへ、各種樹脂の独自配合技術による自社製品と溶剤、ファインケミカル製品の受託生産の両翼で事業拡大するペトロケミカルス。 受託生産を担う中核工場の福井工場は昨年6月から今年3月まで「福井工場の創業以来、ほぼ初の超大型受託生産の案件」(三宅工場長)へ工場全要員と常時、10名前後の生産応援も得て精力的に設備フル稼働対応を図ってきた。 需要家から高く評価される一つがワンバッチ4000リットルで真空引きと加温冷却が可能な大型調合釜設備。 北陸地域でも、ここまでの設備は同社のみで「顧客の実生産や量産展開に応じる」(同)点と消泡剤やチクソ剤ほか豊富な添加剤の知見と品質管理技術の相乗効果で、従来の受託生産から「顧客製品の品変えや改良、量産と生産展開に伴うパートナー」(同)企業ポジションへ変化しつつある。

 生産技術のブラッシュアップと並行し、工場の熟練経験者の技能継承と合わせ非熟練者も対応可能な見える化、センサー等によるアラートシステム導入・活用で生産効率と安全性向上も一段と図る。 福井工場の既存敷地内、約1800平方メートルの新整備用地は、生産増を踏まえ原材料や製品の倉庫(一般品と危険品)投資も行う計画で工場基盤を一段と引き上げる。


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