JX金属は29日、「ひたちなか新工場」(仮称、茨城県ひたちなか市)内に建設した「ひたちなかリサイクル物流センター(HRC)」の竣工式を開催した。HRCは、銅スクラップや小型家電、廃電子基盤などを集荷・選別、秤量、サンプリングを行い、リサイクル由来原料として出荷する機能を担う。 9日から操業を開始する。
銅は、銅精鉱に含まれる硫黄分や鉄分と酸素濃度75〜80%となる酸素富化空気との反応熱を利用する自溶炉から転炉、精製炉で生産した粗銅を電解精錬により純度99・99%以上となる電気銅を製造している。 近年、各銅製錬メーカーでは、環境優位性向上などを目的に銅鉱石とリサイクル由来原料を加えた製錬により電気銅生産と貴金属・レアメタルの回収を行っている。 JX金属では2040年までにリサイクル原料比率50%以上を目標としている。 戸上一郎執行役員・基礎材料事業本部金属・リサイクル事業部長は「現状は20数%程度だが、リサイクル由来原料の集荷拡大と製錬技術の開発という両輪で目標達成を目指す」と話す。
HRCは、銅スクラップや部品屑、有姿原料といった各回収物で分けられた8つのヤードで構成され、敷地面積は2万1000平方メートルとなる。 2〜3年後にはフル稼働を目指していく。 近接する港湾・高速道路の活用により、効率的な輸送を可能にする。
同社の国内のリサイクル物流センターを大分県大分市と茨城県日立市に続き、3拠点目となる。 「大分拠点の強化など、今後も体制整備を進めていく」(戸上執行役員)。