フルヤ金属、新卒初任給3割増額 高校・高専手厚く

日刊工業新聞Newsウェーブ21 2025/08/29 繊維・医薬品・食品・サービス 19頁 630字】

フルヤ金属は2026年4月より新卒初任給の大幅な賃上げを実施する。大学院卒は31万2000円、大学卒と高専専攻科卒は30万円、短大卒と高専本科卒は27万9000円、高校卒は25万5000円とし、いずれも基本給が約3割引き上げられる。 特に高卒や高専卒の初任給は全国的にも高水準に設定し、地元の優秀な人材の確保につなげる。

フルヤ金属は23年にプライム市場に上場し、大手企業と比較される立場となったことを踏まえ、採用競争力の強化を重要課題として認識している。 製造現場を支える高卒や高専卒の人材を厚くすることは企業の競争力の源泉につながるとして、採用競争の激化を前提に積極的な採用姿勢を打ち出す。

一方、大卒以上の人材については流動性が高く、中途採用市場も含めた柔軟な採用戦略が求められる。 賃上げの流れを踏まえ、大卒初任給を30万円とすることで、他社に劣後しない水準を確保する。

同社はイリジウムやルテニウム、プラチナなどの貴金属を中心とした製品の製造販売を行っており、現在、北海道千歳市において半導体製造装置向け温度センサーに使用される石英製品の新工場を建設している。 千歳地域ではラピダス(東京都千代田区)の進出などにより採用競争が激化しており、同地域で目立つ給与水準を設定し、存在感を高める。

社員に対する待遇改善にも取り組んでいる。 7月には既存の正社員の基本給を月額で一律1万5000円引き上げ、年間休日数も121日から124日に増加させ、完全週休2日制へと移行した。


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