「東洋のバニラ」とも呼ばれる熱帯植物「パンダンリーフ」。甘い香りが特徴で、東南アジアからハワイまで、料理やお菓子の香りづけ、お茶、芳香剤、防虫剤など、生活のあらゆる場面で使われている。
日本ではなじみの薄い植物だが、沖縄県内でも栽培されている。 その県産パンダンリーフと粟国島の黒糖、県産卵を使い、沖縄の新たな特産品を狙うのがPandanova合同会社(那覇市)の「黒糖カヤ」だ。
「カヤ」は卵、砂糖、ココナツミルクを煮詰めて作るココナツジャム。 なめらかで濃厚な味わいが特徴で、風味や色付けにパンダンリーフが使われる。 マレーシアやシンガポールなど広く東南アジアで人気があり、トーストに塗って食べる朝食の定番でもある。
「黒糖カヤ」は瓶を開けるとココナツの香りが広がる。 あんこのような質感で、口に入れるとカスタードの味とバニラの香り、最後に黒糖の風味が追いかけてくる沖縄にしかない一品に仕上がった。 パンはもちろん、クレープやパンケーキ、アイスクリームのトッピングにも相性がいい。
県内の工場で製造し、パッケージデザインは県立芸大卒の若手アーティストが手掛ける。 「黒糖カヤを通じ、点と点がつながった」と話すPandanova合同会社のランズ寛子さん。 パンダンリーフを紅いものように沖縄スイーツに欠かせない農作物に育てていくのが目標だ。
9月10日までのクラウドファンディングは4千円から応援を受け付けている。
県の優良県産品推奨事業「NEXT部門」の申請商品を紹介。クラウドファンディング「YUIMA」が1次審査となる。