地震によって発生する火災の被害の甚大さが十分に知られておらず、住まい選びの際に窓の防火性能はほとんど考慮されていない―。日本電気硝子が9月1日の「防災の日」を前に実施した防災に関する意識調査でこれらが浮き彫りになった。 窓ガラスについても正しく理解されていないことがわかった。
20〜69歳の男女を対象にインターネット調査を行い、600の有効回答数を得た。
7割が災害に不安を感じており、災害の種類に関しては地震が約9割と圧倒的に多く、台風(48・9%)、水害(39・9%)、火災(34・2%)などと続いた。 家庭では「防災バッグや備蓄品の準備」といった災害対策が行われているものの、「防火対策」を実施しているのは5・8%にとどまった。
内閣府が発表した「首都直下地震において想定される死者数の約7割が火災による」ことを知っているか尋ねたところ、8割以上が「知らなかった」「聞いたことはあったが、詳しく知らなかった」と回答。 また「火災時に窓ガラスが割れることで被害が拡大する恐れがある」という事実は「知らない」「詳しく知らない」が全体の75・5%を占めた。
窓ガラスに関しても聞いた。 家の購入時や賃貸契約を結ぶ際、半数近くが窓の防火性能を確認していなかった。 さらに防火ガラスのことを知らないと回答した人は6割以上、網入りガラスが熱に強いと答えた人は約半数いた。 網入りガラスは、火災時の延焼防止を目的とした防火性能は備えているものの、ガラス内部に金属の網があるためひびが発生しやすく、実は熱による割れを起こしやすい。