住友化学、天然素材情報基盤を拡充 掲載3倍へ

日刊工業新聞Newsウェーブ21 2025/09/03 繊維・医薬品・食品・サービス 15頁 671字】

住友化学は2026年度に天然素材の分析技術を基に売り手と買い手をつなぐデジタル情報基盤「Biondo(ビオンド)」の掲載素材数を現状比3倍の3000件に拡大する。近年、オーガニック食品や化粧品市場が拡大し、植物などの天然素材探し需要も旺盛だ。 皮など廃棄物の有効活用を促し、循環型社会の実現にも貢献する。 マッチングなどの有料サービスを伸ばし、26年度に1億円の売り上げを目指す。

住友化学が24年7月に立ち上げたビオンドは植物や海産物などの掲載素材数がこの1年で1000件を超えた。 売り手側は対象素材のサンプルを送って成分分析・リポートを依頼し、買い手側は素材検索データベースを利用して化粧品などの原料を探索できる。 無料の簡易サービス以外に、より詳細な分析や検索、取引先開拓の支援は有料となる。

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今後注力していくのも取引先開拓のマッチングサービスだ。 そのためには登録会員数(現状約900人)の拡大につながる素材検索データベースの充実が不可欠となる。 25年度中に素材数1500件を見込み、26年度にはさらにその倍増を計画する。

登録者の内訳として、買い手側は化粧品や食品などの大手企業が多く、売り手側は個人事業者などもいるという。 素材掲載数を伸ばすために、各種展示会を活用するほか、業界団体や大学などにビオンドを売り込んで利用を働きかける方針だ。

住友化学は長年、化学品などの売り切りビジネスを主力としてきた。 ただ、現在デジタル変革(DX)で事業構造転換を目指しており、ビオンドのような、蓄積したデータの利活用により新規ビジネス創出はDX戦略の柱となる。


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