【長野・上伊那】JA上伊那と減農薬米栽培協議会、生活クラブ連合消費委員会、生活クラブ連合会は、2025年度第1回JA上伊那ビジョンフード産地推進会議を開いた。宮田村の水田や、飯島町のJA南部カントリーエレベーター(CE)を視察。 生産者とJA担当職員が栽培管理や生育状況などを説明し、交流を深めた。
同会議は、人が暮らしていくために欠かせない農畜産物「ビジョンフード」の利用結集活動の推進に向けて情報を共有する。 生産から消費の持続性に向けた課題と計画を見直し、次世代の子どもたちが安心して暮らしていける社会を目指した活動にも取り組む。
会議は2日間の日程で開き、同協議会や連合会の委員、JA担当職員ら20人が参加した。
初日はJA本所で、JAと協議会が米の生育状況を報告。 生活クラブに出荷する減農薬米「アルプス米」について意見を交わした。 生活クラブ連合消費委員会の都筑裕子理事は「米不足の今だからこそ皆で分け合い、残さずに食べていくことが大切だ」と話し、共同購入の大切さを共有した。
2日目は、清水重宏さん(56)が管理する宮田村の水田と、JA南部CEを視察した。
清水さんは、湿度が高い環境を生かして数年前に畑作から水田に変更。 現在は約1・5ヘクタールで「コシヒカリ」を栽培している。
同村では水稲の減農薬栽培に力を入れている。 清水さんは「カメムシなどの害虫対策として、畦畔(けいはん)の草刈り作業を徹底している」と説明した。
JA南部CEでは、減農薬米を調製・貯蔵しているサイロや、もみすりの流れを管理している機械を見学した。
都筑理事は「上伊那は米や野菜、果実などの施設がそろっており、どの施設の規模も大きく驚いた。 今度も会議や交流を通して互いに学んでいきたい」と話した。