国交省概算要求、商慣行見直しで3・34億円

化学工業日報 2025/08/29 15頁 708字】

 国土交通省は先ごろまとめた2026年度概算要求で、トラック運送事業者に対する事業許可の更新制度導入や、現行の標準的な運賃制度に代わる新たな適正原価制度の設定に向け前年度比4・9倍となる3億3400万円を掲げた。今年6月に公布されたトラック適正化2法の施行に向けて業務プロセスの構築や実態調査を進める。 併せて、26年4月全面施行の改正物流効率化を見据え、荷待ち・荷役時間の短縮および積載率向上に向け、特定荷主や特定物流事業者に対する規制の執行体制を整備する。

 昨年4月からトラックドライバーへの時間外労働規制が強化された「物流2024年問題」を契機に、物流効率化や荷主と運送事業者の取引環境の適正化を進めてきた。 26年度はさらにドライバーが適正な賃金を収受できるようにトラック・物流Gメンの活動下で実態調査を進め、業界の質の向上に資する施策を講じる。

 物流業界では、元請け運送事業者による多重下請けの取引構造が常態化している。 こうした状態の是正に向け悪質な荷主や元請け運送事業者に対し、トラック・物流Gメンが指導するための調査を実施する。 これにより荷主や物流事業者の連携やマッチングが実現できる環境を整備する。

 また、今年4月に一部施行された「流通業務の総合化および効率化の促進に関する法律」および「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」では、荷主や物流事業者に荷待ち・荷役時間短縮および積載率向上の努力義務が課された。 ただ、24年度の調査では荷待ち・荷役時間は20年度比で横ばいとなる。 26年4月から特定の荷主や物流事業者には、中長期計画の作成や定期報告などが義務化され、荷主には物流総括管理者の選任を義務付けられる。


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