北陸特集 日華化学、化学・化粧品で事業底上げ

化学工業日報 2025/08/29 8頁 876字】

 日華化学が、化学品と化粧品の両事業で、成長基盤の拡大を進めている。7月末発表の2025年12月期第2四半期(中間決算)では、両事業とも上期で過去最高の売上高を達成。 特に化学品事業は、売上高、セグメント利益ともに昨年度の過去最高をさらに更新した。 同社は「中長期グループ成長シナリオ」で、35年までにROEを安定的に10%以上、売上高750億円、営業利益率10%以上を目指しており、社会課題の解決と事業PFの変革に向け邁進している。

 化学品事業では、E(環境)、H(健康/衛生)、D(デジタル/先端材料)関連製品の売上が着実に伸長している。 中間期のEHD関連製品売上比率は45%と19年の30%から大きく増加。 同製品の利益率は従来製品比でプラス10%と全社の収益性改善にも大きく寄与している。 フッ素フリー系撥水剤や環境配慮型工程薬剤の継続的な伸長に加え、新たな電子材料分野への取り組みを開始するなどデジタル分野での成長に向けた布石を打つ。 昨年知財功労賞を受賞した「ネオクロマト加工」は、10月に大阪・関西万博に出展する予定だ。

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 また、化学品の好調を支えるのは海外事業だ。 昨年度に続き全社の業績を牽引する中国をはじめ、新たなエリア展開としてインド事業も成長。 ただし、トランプ関税などの外部リスクもあり、今後も動向を注視していく必要がある。

 化粧品事業では、主力ブランド「DEMI」から美容室向けのヘアケア新商品を複数上市。 猛暑に向けた夏季限定ブランド「サマーバー」や昨年上市した「フローディアモア」も市場から高い評価を得ている。 スカルプケアの研究開発にも注力しており、今年6月には頭皮のかゆみを抑制する成分を発見。 毛髪科学に基づく技術力で成果をあげている。 子会社である山田製薬のODM事業も好調だ。 今年4月には福井県で「福井スマートファクトリー(仮称)」が着工。 5月には、福井銀行と大手3行による総額140億円のシンジケートローン契約締結など、成長投資に向けた資金調達体制も整えた。 財務レバレッジを効かせた積極投資を進め、次世代を見据えた事業拡大をさらに加速する。


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